カルダノと暗号通貨Adaの最新情報

カルダノと暗号通貨Ada/エーダの最新情報や初心者向け解説を提供します

IOHKがカルダノをローンチするまでの経緯

bitcoinmagazine.com

 

カルダノの暗号通貨エーダ/Adaの誕生からローンチまでに関する記事です。
これまでの経緯は決して簡単なものではなかったというのがよくわかります。

以下、上記英語記事の翻訳です。

(もし間違いや修正点があれば、恐縮ながら教えていただけましたら幸いです。)

 

「イーサリアム元CEO」が開発を指揮する新しいブロックチェーン 

これまで、スマートコントラクトのプラットフォームにおいては、Ethereum/イーサリアムが最も有力なプレイヤーでしたが、ついに新しい競争相手が着実にゲームに参入してきました。
非常に興味深いことに、その新しいプラットフォームは、かつてのイーサリアムのCEOによって生み出されたものなのです。

先週、イーサリアムのかつてのCEOであるチャールズ・ホスキンソンによって指揮されるブロックチェーン開発組織 "IOHK"は、新しいブロックチェーンであるCardano/カルダノを発表しました。
そして、昨日(10月2日)、カルダノのプラットフォームの暗号通貨であるAda/エーダが、アメリカのBittrex/ビットレックス上でついに取引開始となったのです。

早期のクラウドセールに参加した10,000のAda保有者は、カルダノのウォレットであるDaedalus/ダイダロスをダウンロードでき、エーダトークンを償還し、取引を行えるようになっています。

日本をメインターゲットに行われたエーダのクラウドセールでは、欧米人たちが除外されておりましたが、ようやくビットレックス上でエーダを購入できるようになっています。

もしすべてがIOHKの計画に従って進んでいくのならば、これまでのイベントや出来事は今後2年間の開発プロセスの序章に過ぎません。
これからの2年間の開発プロセスで、カルダノは、開発者が非中央集権的なアプリケーションを組み立てる際に利用できるプロトコルのライブラリーを実装した、本格的なスマートコントラクトプラットフォームに進化していくことになるでしょう。

 

カルダノはどのようにして始まったのか

ホスキンソンは、イーサリアムの初期の創設者の1人です。彼は、ネットワークがローンチされる前にプロジェクトから離れ、2014年に、同僚であったジェレミー・ウッドと共にIOHKを創設するに至りました。

IOHKは当初から日本のビジネスマンたちからアプローチを受けていました。その理由としては、日本のビジネスグループが、暗号通貨としても、またブロックチェーン界隈において増加する規制監督のニーズに応えられるスマートコントラクトとしても機能するブロックチェーンを生み出すことに強い関心を持っていたためです。
そして彼らは、開発のために資金を調達する際には、アジアのマーケットに焦点を合わせてICO(Initial Coin Offering)を行いたかったのです。

一方でホスキンソンはインタビューで、「すでに暗号通貨の市場が飽和している西洋諸国ではなく、アジアにおいて大規模な展開を行う方が良いと当初から思っていた」と答えています。

そこで、日本のビジネスグループはそのセールのコンプライアンスを支援するソフトウェアを開発するためにIOHKと協力関係を築きました。
アテインコーポレーションという日本企業が、セールを取り仕切り、もう一つの団体であるカルダノ財団が、見落としがないかの確認や会計審査を担当しました。

その間、2015年7月から2017年1月までの期間で、6200万ドル(約62億円)の資金を調達し、450億Adaの限界流通量の内、すでに約300億Ada分のバウチャー(引き換え券)が発行されることになりました。

それらのバウチャーがいっさいアメリカ市民には販売されていないため、そのセールは、アメリカ証券取引委員会の監視下には入っていないのです。
「アメリカの外でセールを行うことで、規制という面でいくつかのメリットを活用できた」とホスキンソンは語ります。「そしてまた、いくつかの文化的メリットもありました。それは、まだ青天井の、広く開いた市場です。」

Emurgo/エマーゴと呼ばれるようになった日本のそのグループは、2020年の終わりまでの5年間をかけてカルダノを構築するという契約のもとでIOHKと協力しています。Emurgoは、カルダノに対して、イーサリアムにおけるConsenSys(プラットフォーム上で動く非中央集権的なアプリケーションとスマートコントラクトをデザインするスタジオ)のような存在となるでしょう。

 

Haskellベースのブロックチェーン

さてカルダノとは正確には一体何なのでしょうか。

それは非常に機能的なプログラミング言語であるHaskell(ハスケル)を用いてゼロから開発されている新しいブロックチェーンです。
IOHKは、Haskell言語の設計の第一人者であるフィリップ・ワドラーをカルダノプロジェクトの開発に招聘しています。
ホスキンソンは、「Haskellは構造的に数学に近いものであり、それゆえコードをより厳密に書くことができ、結果的によりセキュアで信頼性の高いプロトコルを生み出せる」と言っています。

カルダノのまさに心臓となるコアには、Ouroboros/ウロボロスというプルーフオブステーク型のアルゴリズムがあります。
Bitcoin/ビットコインや他のほとんどの暗号通貨が、マイナーたちが暗号パズルを解読し台帳の状態の合意形成を図る「プルーフオブワーク」に基づいているのに対して、プルーフオブステーク型のシステムではコインホルダーたちの投票によって合意に達するモデルになっています。
結果として、プルーフオブステークは、プルーフオブワークよりはるかにずっと(電力などの)エネルギー効率が良いのです。さらには、より速いトランザクション処理を実現し、またコインホルダーたちがプロトコルがどのように発展すべきかについて一票を投じられる統治体制の扉を開くのです。

しかし、安全なプルーフオブステーク型のシステムを構築することは容易いことではないのも事実です。そのために、ウロボロスは、徹底的な研究者同士による査読を通した(結果的に、世界的にメジャーな暗号に関するカンファレンスであるCrypto2017において、ウロボロスの存在が認められることになった)数学的証明に基づいた安全性を兼ね備えています。
そして現在でも、イーサリアムのCasper/キャスパーや、Algorand/アルゴランド、Snow White/スノウホワイトなどいくつものプルーフオブステーク型のアルゴリズムを構築するプロジェクトが走っており研究は続けられています。

 

カルダノの開発リリース「バイロン」と「シェリー」

カルダノという仕組みにおいて、今まさに生きているものは、「Byron/バイロン」と名付けられている最初のメジャーリリースです。これは、Adaが動いている決済レイヤーの最初のバージョンのことを指しています。

しかし、いくつかの機能はまだ起動されていません。 というのも、プラットフォームがまだブートストラップモード(基本的なソフトウェアのみが動く立ち上げ段階)の状態であるからです。
システムは、完全な形で稼働し始める前により広範で多くのコイン保有者を必要とします。そのため、この初期のステージでは、ウロボロスが起動されていたとしても、システムが勢いをつけるまでは、合意形成の機能が個々のノードでロックされています。「もう4~6ヶ月ほどは時間がかかるのではないか」とホスキンソンは言います。

バイロンの後には、「Shelley/シェリー」と名付けられたカルダノの次のメジャーリリースが控えています。それは、2018年の最初の半期中に実装される予定になっています。シェリーのフェーズで、システムは完全な形で機能する独立の暗号通貨へと進化するでしょう。「たとえ私が死んでIOHKが閉じてしまっても、カルダノはその形のまま永遠に動けるでしょう」とホスキンソンは言います。

シェリーはカルダノに対して一連の強力な機能(スマートコントラクトを含むサイドチェーン、マルチパーティー演算、メタデータなど)を用意していきます。それらのプロトコルは時間を経て徐々に実装されていくでしょう。ホスキンソンによると「それらの機能が利用可能になり次第、随時公開していく」と言っています。それらの機能のほとんどが来年に加えられていく予定です。また、彼は、オフチェーン(ブロックチェーンを離れた)決済にも対応できる信頼性の高いハードウェア機能も2019年にローンチできると期待しています。

 

独自のスマートコントラクト

IOHKは、イーサリアムのEVMのような、独自のVM(Virtual Machine:仮想マシン)で開発を行っています。これは今後、自動実行されるコードが生きるレイヤーになっていく予定です。ホスキンソンは、カルダノVMは来年の前半期で利用できるようになると言っています。

それに即して、カルダノは、Haskellが軽量化されたバージョンであるPlutusという、独自のスマートコントラクト言語を持っています。Plutusは、セキュリティ侵害が壊滅的な結果をもたらす可能性に立ち向かう高度な保証契約に向けられています。

しかしゆくゆくは、ユーザーたちは、JavaやC、Javascriptのような従来の言語でも非中央集権的なアプリケーションをプログラミングできるようになるでしょう。
「実用的でなければなりません」とホスキンソンは言います。「人々は、必ずし高度に保証されたコードを書きたくなるわけではありません」。

また、プロジェクトの中には、ブロックチェーン上でプロトコルの将来について意思決定が実施される統治システムや、将来の開発のために一定量の取引手数料が蓄積される財務システムなどの構築の計画もあります。

総じて、ホスキンソンは、長く時間がかかるセキュアで信頼性の高いプラットフォームを創造することを目的とした最初の、ゆっくりとしたそして確かなローンチであるという点を強調します。「カルダノは、厳格で、システマティックなプロジェクトです。そして、それはたくさんの原理によって裏付けられているです」と語ります。

 

カルダノを支える様々な仕組みや構想がどんなものなのかよくわかりますね。
より詳細の情報は下記にありますので、ぜひご覧ください。